甲府地方裁判所鰍沢支部 事件番号不詳 判決
右被告会社並被告人に係る法人税法違反被告事件に付当裁判所は検察官某関与の上審理を遂げ左の通り判決する。
主文
被告会社を罰金参百万円に被告人を懲役六月に処する。
理由
一、事実
被告株式会社村松愛作商店は全国紙商組合連合会所属の和洋紙の販売紙製品の製造及販売並に製紙原料の販売其の他右事業に附帯する一切の業務を目的とする資本金九拾万円の会社被告人村松愛作は右会社の取締役社長であるが被告人村松愛作は被告会社の右業務に関し昭和二十二年四月二十五日より昭和二十三年四月二十四日迄の第一期事業年度分所得額は参百参万壱千五円であつたに拘らず法人税を脱れる目的を以て売上金の一部を正規の帳簿に記載せず之を秘密帳簿に登載したり或は売上金を全然帳簿に記入せずして所得を秘匿し昭和二十三年六月十九日鰍沢税務署に所得の申告をするに当り其の所得額を弐拾八万五千六百七拾七円と偽り以て不正の方法により金百四拾八万四千拾円の法人税を逋脱したものである。
一、証拠
(一) 被告人の当公廷における供述
(二) 証人佐久間敬長の当公廷に於ける供述
(三) 原川繁治の検察官に対する第一回供逑調書中同人の供逑記述
一、適条
被告人村松の判示所為は法人税法第四十八条第一項に該当するから所定刑中懲役刑を選択し其の刑期範囲内において被告人を懲役六月に処し被告会社に対しては同法第五十一条第四十八条第一項を適用し所定罰金刑を以て処断すべきところ右法人税法第四十八条第一項に定むる罰金額の寡額と昭和二十三年十二月十八日に公布せられ同二十四年二月一日から施行せられた罰金等臨時措置法に定むるそれを比照すると前者の刑が軽いから刑法第六条に依り前者の刑に従ふこととし其の罰金額の範囲内に於て同会社を罰金参百万円に処すべきものとする。
仍て主文の通り判決する。